日別アーカイブ: 2019年10月17日

命日に寄せて

今年の父の命日には、小さい缶の生ビールと大福二個とトルコ桔梗を添えた。
年によっては缶チューハイだったり日本酒だったりいろいろ。
基本は父の大好物を添えるのだけれど、自分の好物も考慮する。

昨年は命日をうっかり忘れていて、翌日思い出したときは「うわ!」と真っ青!
空に向かって懺悔した。
先日実家へ行ったときにお墓参りをしてきたので、今年の命日は実家がある西に向かって合掌した。

お仏壇はないので神棚の横にお花を添えて、神様に「ちょっと失礼致します。」とご挨拶するのも毎年のこと。
ちなみに我が家には父の写真は飾っていない。
理由は、見ると悲しくなるから。

数年前に自分の人生で大変悲しいことが起きた時、ショックでなかなか立ち直れず生きる気力を失くした時があった。そんな日々にいつも浮かんだのが、天から見下ろしている父の心配そうな顔だった。
「親に心配かけてはいけない」という自分が作り上げている幻想なのだが、その姿が結構堪えた。
そんなことが数年続いただろうか。
「自業自得、身から出た錆、父に心配かけてはいけない。」
そう思いながら毎日を過ごすうちに、ある時父の心配そうな顔が浮かばなくなっていたことに気がついた。
浮かぶのは、あの世に勢ぞろいしている仲間たちと楽しそうに飲んでいる姿。
実に楽しそうで、私のことなど全く気にしていない姿だった。
もしかすると、自分はようやく闇を抜け出せたのかな。
たまにどうしようもなく辛くなるけれど、もう父の悲しそうな心配そうな顔を思い浮かべることがなくなった。

いつか写真を出せる日が来た時、「遅いぞ」と文句を言われるかもしれない。
写真を出せずにあの世で再開した時に文句言われるかもしれないね。
それもまた楽しみだなと思う。